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三条通り モダン建築 京都文化博物館 別館 [京都カメラ散歩]

また三条通りの散策を続けます。

なぜこれだけたくさんのモダン建築が京都の三条通り沿いに残されているのでしょうか。

先日ご紹介をした「京都洋館ウォッチング」の
井上章一先生の解説からの引用ですが
「三条大橋から東海道が始まり、東海道の起点として栄えていた。」
全国と取引をする両替商、様々な商品の問屋が多数あったそうです。


京都洋館ウォッチング (とんぼの本)

京都洋館ウォッチング (とんぼの本)

  • 作者: 井上 章一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/11
  • メディア: 単行本




「明治期になっても金融や郵便に関わる施設がたくさん建てられた」
そう思ってこれまでご紹介した建物の築年を見てみると1880年という古いものが
ありました。1868年が明治維新ですからその12年後にはあの時計屋さんの建物が
建てられていました。

京都でも明治維新以降、道幅の拡幅工事が行われるようになりますが、
三条通りには既に石造りの建物が多数建てられていたので、それが行われず
道幅が狭いまま現在に至っているそうです。

江戸時代には三条通りが主要道路だったそうです。
…この道幅が江戸時代の道幅…そう思うとなにやら感慨深いです。

文化博物館1.jpg

そんなことを思いながら三条通りを西に歩くと、
三条通り(東西の通り)と高倉通り(南北の通り)の角には
京都文化博物館別館が建っています。
この建物は1965年まで日本銀行京都支店として使われていました。
1988年からは、京都市文化博物館の別館として使われています。

文化博物館2.jpg

細部にも気配りがされたお洒落な建物です。

文化博物館3.jpg

このファサードのデザインを見た時にふと思い出したのは
「ボッティチェリのヴィーナスの誕生。
ビーナスが立つ2枚貝を思い出しませんか?
ということはこの2つの灯りは真珠をイメージしたのでしょうか。

…そしてもう一つ思い出すのは「中之島の公会堂」
そのはずです。設計には中之島公会堂の設計にも関わった
辰野金吾が関わっています。竣工は1906年とのこと。

文化博物館4.jpg

文化博物館の内部の天井です。
この日もクラシックコンサートが開かれるようでした。
バイオリン奏者の方が、リハーサルをされていました。
木製の天井。このように高い天井でどのような音の響きになるのでしょうか。
また時間が合えば、週末のコンサートなどにも来てみたいと思いました。

今日のオマケです。

白鷺.jpg

”五月雨を…集めてはやし…”というのは鴨川ではありませんが、
この日の鴨川は上流での降雨のためかかなりの水量でした。
日頃は歩いて川を渡れるくらいの水深ですが、この日はかなりの水量でした。

サギ君も立っているのがやっと。
カメラで動きを追っている間に、何度か”足を取られて”よろめいていました。

確かに、今年の雨の降り方はたいへんです。
宇治の方でも…まさかの…水害が発生しています。
これからもまだまだ大気が不安定なようですね。
皆様もお気をつけください。
Gesehen!(29)  コメント(10) 
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Gesehen! 29

コメント 10

toshi

文化博物館、外側も内側も趣がありますね。
昔の豪華な洋館という感じですね。
たしかに大気が不安定ですね。
by toshi (2012-08-20 06:22) 

carotte

玄関上のタンパンはやっぱりアコヤガイがヒントみたいですね。その貝のあたりについている明かりの柄の部分の装飾もなかなかですね。全体の雰囲気に合わせて付けられたんでしょうね。外観はどこかで見たことがあったのですが、中は初めて見ました。昔、ここで銀行員が働いていたとはちょっと信じられない気がしますが、それだけ格の違いがあったのかも。昔の銀行(しかも日本銀行)は今の銀行とは有り様がだいぶ違ってますもんね。
by carotte (2012-08-20 08:53) 

駅員3

あの辰野金吾さんの手によるものが、京都にあるのは知りませんでした。
三条通りは興味津々です[ひらめき]
by 駅員3 (2012-08-20 11:49) 

めい

立派な建物ですね
こんな素敵なところでクラシックを聴いたら
最高ですね
by めい (2012-08-20 20:15) 

koh925

そうですか、辰野金吾さん設計の建物が残っているんですね
日本銀行本店もそうですね
三条通りは、蹴上を通って山科へ、江戸期の主要街道ですね
いつも、先斗町か高瀬川をさかのぼって三条通りに出ても
右折をして鴨川に行ってしまいます
機会が有れば、三条通りをウオッチングしてみます
by koh925 (2012-08-20 21:31) 

orange

toshiさん
こんばんは。内部の天井が木製でこれだけ高いとクラッシック音楽の演奏にはいいかもしれませんね。この日も柔らかなバイオリンの音が心地よく響いていました。
by orange (2012-08-20 23:40) 

orange

carotteさん
"タンパン”フランス語ですね^^ 教会などの入口部分にあるアーチ型の装飾。教会なら聖書やその街にゆかりの聖人に関係のあるエビソードなどがレリーフとして施されますね。
大阪の日本銀行の建物はこれほどカラフルではありません。もっと重量感のある建物です。そんなことを考えるとこの華やかさは周囲の洋館に合わせたのかな?とも。ちなみに大阪の日本銀行も東京の日本銀行も辰野金吾さんの設計によるものですが、こちらは色の無い石を使っていますね。
by orange (2012-08-20 23:58) 

orange

駅員3さん
この界隈にはまだ辰野金吾さんが関わった建物がありますよ。みずほ銀行の京都支店も。やはりおなじ様な華やかなデザインです。東京駅や日銀本店などの設計。時代の顔だったのですね。
by orange (2012-08-21 00:00) 

orange

めいさん
こんばんは。残暑お見舞い申し上げます^^
そう、これからは街の散策をして夕方からはコンサートを…そんな京都の楽しみ方もできそうです。柔らかいよい音が楽しめそうです。
by orange (2012-08-21 00:02) 

orange

koh925さん
こんばんは。
おっしゃる通り、河原町通りを西に越えての三条通りは”修学旅行生通り”の感がありますからね^^。なにを隠そう、私も寺町通りまでは行っても、三条通りをそれより西へ(かに道楽より西)意識して行ったことはありませんでした^^? こうして見るとまだまだ京都は色々な見方ができそうですね。
by orange (2012-08-21 00:23) 

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