「人間について」 [平和]
- 作者: ボーヴォワール
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1980/09
- メディア: 文庫
フランスの作家、シモーヌ•ド•ボーヴォワールの著書です。
「人間は超越性である。」こんな表現が何度となく出て来ます。
小さな子どもが「僕はAって言わないよ、だってBと言わなければ
ならないのを知っているから」という台詞を言うところが記憶に
残っています。
先ほどまで目標だったものは、到達するやいなやもうその瞬間から
目標ではなくなってしまう。到達した直後からその目標に代わり次の
目標が現れる。
それが人間の所業だというのです。
かなり昔のことですが、フランス、プロバンス地方を旅行したおりに
Les Baux という村で撮影した写真です。
この写真を撮影したのは、レ•ボーの小さな村の中世の遺跡です。
昔の戦いに使ったのでしょう。投石機がいくつか再現されていました。
はじめは領土を守るためという大義名分で。
その次には国を豊かにするために肥沃な土地を求めて…
そしてその次にはもっと豊かになるために資源の豊かな地域を求めて…
人間はまさに超越性です。
飽くなき欲望が一方では豊かな生活をもたらし、
また他方では利己的な自国のみの利益追求に走らせ…
今日は広島への原爆投下があった日から65年過ぎた
平和祈念の日でした。
今世界中で絶えない戦火。
これはなによりも"人間的な"超越性がもたらしているものに
他ならないと思います。
この辺りで過去を振り返り、
人類は欲望と技術の暴走を起こさない努力をしなければ
ならないと思います。
一人一人に何ができるのか。
まずはそれぞれの平和への思いを
発信してみることから始めればよいのではないかと思います。
今日の記事。
勇気を頂きました。
orangeさんにコメント頂く度に、
『間違ってない』
『続けてみよう』
と、いつも思っています。
by 広島ピアノ (2010-08-06 22:43)
なかなか難しい問題ですね。
人間は食べて命をつなぐだけではいられない。どうしても生きている目的が必要になりますね。
少し我が身を振り返ってみます。
by carotte (2010-08-06 23:47)
こんばんは。
「人間は超越性である。」ものすごく納得させられる言葉です。
超越の方向を良い方向にむけられるように、一人一人が意識を
持つことは非常に大切ですね。
『人間について』
これは、有史以前からの最大の難命題でもあるように感じます。
『争いを好まないようなふりをする、考えられるけど考えない葦』でしょうか？
by perseus (2010-08-07 00:28)
広島ピアノさん
日々平和を守る問いかけをされている広島ピアノさんの行動に
頭が下がる思いです。
気をつけておかないと!権力を握る者の暴走に翻弄されることが
ないように…
carotteさん
高校時代にこの本を読みました。個人的には生き方に影響した好きな書籍です。新しいカバーのデザイン、あまり好きではありません。
perseusさん
高校生の時、読んだこの本はちょっとした衝撃でした。
「考えられるけと考えない葦」そうかもしれません。
どうやら権力と関わりを持つ人々はその超越性への思いが理性を勝ってしまうことがあるようですね。
おっしゃる通り、超越性をよい方向へ!です。
by orange (2010-08-07 08:21)
人間って欲深いですからね・・・
by あら (2010-08-07 14:25)
目標が達成されると次の目標が現れるのが人間の所業
考えさせられます。
by toshi (2010-08-07 19:28)
あらさん
そうですね。そう思います。
夏は"暑い”といい、冬は"寒い”と言い。
それにしても暑いです。
シェイプアップしようと思いつつアイスクリームを
食べてしまうのも…（これは意思の弱さかな~~;)
toshiさん
体調回復されましたか？
欲と呼ぶのか向上心と呼ぶのか…
視点が変わると呼び方も変わりますね。
by orange (2010-08-07 21:54)